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2014/06/01

チョコレート ドーナツ

5800534_2077983049_103large 最近見る映画と言えばイタリア映画祭と吉祥寺映画社の映画ばかりとなっているが、こないだラジオを聴いていたら絶賛していたチョコレートドーナツを観てみようと思い立った。薬物依存の母に育児放棄されたダウン症の子を、隣人のゲイが引き取って育てようとする物語。しかもこれは1970年代のアメリカでの実話だというのだ。

アラン・カミングの演技が素晴らしいというよりもの凄い。ダウン症のマルコを演じたのは自身ダウン症のアイザック・レイヴァで、きちんとした演技でもっとも大事なリアリティを確保してくれている。

これから全国で上映は続き、僕の友人の皆さんにはぜひ観ていただきたいのでオフィシャルになっているストーリーをあまり超えずにネタバレを避けて書くけど、ルディはゲイでありダンサーで世間に認められない人であっても子供の食についてのちょっとしたセリフでわりとしっかりした考えを持つ人物だとわかる。裁判のなかで語られる言葉にはほんとうに考えさせられる。終盤、薬物中毒の母のちょっとしたセリフに、実は彼女も子供のことを(ちょっとだけ)考えてるという部分も見えて複雑だった。そしてラストエピソードのあまりの寂しさ。

今回この映画を観る動機の大きな部分は南相馬の障がい者施設えんどう豆さんに通うようになったことだろう。そうそうあるとき世話をされてるスタッフさんに「皆さんの写真撮っていいですか?」と聞いたらそばでうつむいて黙々と作業されてた方がハッと顔をあげて恥ずかしそうに笑ったのだ。それで僕は「あっ!」と思った。恥ずかしながら不勉強で気づかなかったのだけど、えんどう豆に通っていらっしゃる皆さんは表情が控えめだったり表現が少なかったりするけど、「何も耳に入ってない」わけでも「何も理解してない」わけでもなかったのだ。そこに気づかなければ本意でなくても傷つけるようなことを言ってしまうかもしれなかった。この経験を踏まえて観たマルコは、ほんとうにかわいそうでならなかった。

イタリア映画は必ずしもハッピーエンドで終わらなかったりする。正義の味方がきれいさっぱり解決してくれない。こんなことになっちゃったぜ。さあどうする?とこちらにバトンを渡されたままでエンドロールが始まる。だからアンハッピーエンドには慣れてるつもりだけど、うーん、この映画でもハッピーエンドという言葉は重い。「はあ〜」と噛み締めながら映画館を出て、「そうだあれは実話なんだよな」と思い出してさらにジンジンときた。
ちょうどサッカーの日本代表の試合が終わった直後だったようで渋谷は騒がしくて、自分とのギャップが大きくて参った〜。こっちの都合であちらは悪くはないんだけどね〜(笑)

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